長崎市チトセピアホールでは自主事業として1月8日に「『音の行方』上映会&トーク!ライブ!!」を開催しました。
本イベントは神戸を拠点に活動する即興音楽集団〈音遊びの会〉に迫ったドキュメンタリーの上映に併せて、〈音遊びの会〉メンバーと監督を交えてのトーク、そしてライブを行うものです。
当日、まずはドキュメンタリー映画の上映からスタート。メンバーが過ごす日々の日常の穏やかさ、そして週末に集まっては行われる音楽活動の瑞々しさが丁寧に描かれた作品です。
上映が終わり、最初に登壇した野田監督による自作解説。
撮影に至ったきっかけや撮影中のエピソードなどが語られるなか、メンバーが少しずつ舞台に現れてゆき、リラックスしたムードでのお喋りがはじまります。
今回の舞台美術を担当したのは長崎で障害のある人もない人も一緒にアートを楽しめる活動を続ける〈Tsunagu Family〉。
昨年11月に開催された公開ワークショップで制作された作品が舞台上に大きく飾られるのを見たメンバーが嬉しくなって思わずステージ上に上がってしまうサプライズも。(公開ワークショップの様子はこちらからどうぞ)
そして会話をしながら楽器が手に取られ、誰となく演奏が始まっていきます。
ライブは三好佑佳さんのドラムが全体を引っ張ってゆくアップテンポな演奏からスタート。前のめりなビートに吉見理治さんのトランペットと光永惟行さんのサックスの鋭い音色が絡み合います。
続いて〈音遊びの会〉内ユニットとしてザ・マサハルズを結成するなど精力的な活動を行う吉見さんを中心としたセッション。
幾度となく繰り返される吉見さんのシャウトに会場も熱を帯びてきます。
かき鳴らされるギターに負けじと三好さんもドラムで応えます。
盛り上がった会場をクールダウンさせるかのように一転して和やかなムードの演奏がはじまりました。
森大生さんのハミングに思わず客席からコーラスが返ってくるワンシーンも。
ゆったりしたリズムにあわせてステージ上に散りばめられたおもちゃの楽器を思い思いに鳴らしたり、はたまた客席内を練り歩いたり、舞台に寝っ転がってみたり…。
ライブも終盤にさしかかる頃、ドラムに着いた森さんと大友良英さんのギターのセッションが始まりました。
訥々と発せられるドラムと会話するようにギターが奏でられる、心地よい緊張感の張り詰めたセッションが展開されます。
最後は三好さんのダンスを交えた賑々しくパーカッシブな演奏で締めくくり、1時間を超える即興セッションが終了しました。
終演後、〈音遊びの会〉と〈Tsunagu Family〉のみんなで記念撮影!神戸と長崎を結んでの音楽と美術のコラボレーションも大成功のイベントが無事終了しました!
【実施概要】
(日時) 2024年1月8日 14時~17時
(主催) 有限会社ステージサービス(長崎市チトセピアホール指定管理者)
*令和5年度長崎県障害者芸術文化の発表の機会確保事業
【参考】
楽器や声で即興音楽「音遊びの会」 知的障害者ら自由に表現(2024年1月15日 長崎新聞)
からだから沸き上がる、予想不能な演奏 即興音楽で会場一つに(2024年1月28日 朝日新聞デジタル)