【イベントレポート】伊藤ゴロー + ロビン・デュプイ デュオコンサート

チトセピアホールでは自主事業として「伊藤ゴロー + ロビン・デュプイ デュオコンサート」を12月24日に開催しました。

クリスマスの時期にゴローさんのコンサートが開催されるのも今年で四回目、すっかり恒例となりました。今年も〈演奏者と観客の垣根のないアットホームな空間〉というコンセプトのもと、反響板の中に客席が配置される定番のセッティングでお客様をお迎えです。

第一部の幕開きは2013年発表のソロアルバム「POSTLUDIUM」収録の“Luminescence”からスタート。ゴローさんの繊細なギターの音色を優しく包み込むロビンの奏でる豊かなチェロの響き。回を重ねるごとに円熟味を増す二人のセッションがはじまります。

ジョビンのナンバー “Insensatez”ではゴローさんがブラジルを旅した時にバスの車窓から撮影した映像を使った演出が取り入れられました。

ゆったりと心地よいボサノヴァのリズムに合わせて5mを超える高さの反響板に街並みが大写しになることにより、まるで一緒に旅をしているかのような不思議な感覚を味あわせてくれます。


 

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前半のクライマックスは“The Isle”。これまでと一変して性急なリズムとともにときにノイジーとも言えるほどの情熱的なプレイを披露し、ファーストステージは終了。


休憩を挟んで演奏されたのは、ゴローさんが昨年夏に佐藤浩一(pf)、福森新也(dr)と結成したユニット・land & quietの1stアルバムから“Water Drops”、そして“Obsession”のメドレー。

ダイナミックに隆起しては打ち砕ける波濤を捉えた映像をバックに、緊張感溢れるパーカッシブな掛け合いから第二部はスタートします。

引き続きland & quietのレパートリーから“Ⅴ”。アルバムではland & quietの3人にロビンとパーカッショニストの角銅真実を加えた5人によって録音された曲をデュオとしてアレンジ。目まぐるしく動く映像が楽曲の持つイメージをさらに鮮明で強烈なものにしてくれます。

本編ラストは幻想的な万華鏡と星空の映像をバックに“November”、そして“Fly me to the AOMORI”。優しく語りかけてくれるような優しいギターの音色、そしてそれに呼応するかのように深く響き渡るチェロ。星空に吸い込まれるような浮遊感をまとった演奏で締めくくりました。

アンコールは、イブの夜にふさわしく“First Noel”。オレンジの暖かな光に染められた空間を静かに奏でられる響きが満たし、この日のコンサートは幕を閉じました。

【実施概要】
(日  時) 2019年12月24日 19時~21時
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス