【イベントレポート】千歳公楽座 坂本頼光 活弁ライブ

長崎市チトセピアホールでは自主事業として12月11日に「千歳公楽座 坂本頼光 活弁ライブ」を開催しました。かつて街場にあった寄席のように噺家さんの息遣いまでもが伝わるような距離で落語を聴くというコンセプトで始まったこの会。今回は趣向を変えて、若き活動弁士として注目を集める坂本頼光さんをお迎えしての無声映画の上映会です。長崎市内では初の公演ということで期待が高まる中、会は始まります。

開演時間が少し過ぎた頃、拍手の中をフロックコートに身を包んだ頼光さんが登場。無声映画と活動弁士の説明からスタートです。

それではさっそく実演を、と一本目は「血煙高田馬場」(監督:マキノ雅弘/1937年/日活京都撮影所)。疾走感あふれるフィルムに合わせた小気味良い口調で会場を沸かせます。

続いて「チャップリンの冒険」(監督:チャーリー・チャップリン/1917年/ミューチュアル・フィルム・コーポレーション)、そして漫画映画「日の丸太郎 武者修行の巻」(作画:鈴木阿津枝/1936年/)とテンポよくたたみかけて前半は終了。

仲入りをはさんで後半は「忠魂義烈実録忠臣蔵」(監督:マキノ省三/1928年/マキノ)をたっぷりと。

松の廊下の刃傷事件に始まり、お家明け渡し、山科での放蕩、東下りと数々の名場面が頼光さんの名調子によって語られます。

そしてラストの吉良邸討ち入りから両国橋まで1時間余を語りきり大団円となりました。

千歳公楽座、次回は初夏の頃に開催予定です。ご期待ください!

【実施概要】
(日  時) 令和2年12月11日(金) 19時~21時
(主  催) 長崎市チトセピアホール指定管理者 有限会社ステージサービス


翌12日には長崎市北公民館で冬の特別講座「無声映画の愉しみ」が開講されました。本講座はチトセピアホールと上階の長崎市北公民館が今年度より一括管理になったことをうけての連携企画です。

こちらでは、日本における無声映画の成立からその歴史にはじまり、頼光さんが活動弁士を志したエピソードも披露。そして「血煙高田の馬場」(監督:伊藤大輔/1928年/日活京都撮影所)、「国士無双」(監督:伊丹万作/1932年/日活)、「ジャックと豆の木」(監督:E・S・ポーター、G・S・フレミング/1902年/エジソン社)、「カメラマンの復讐」(監督:ヴワディスワフ・スタレーヴィチ/1912年/ソ連)と豪華四本立ての実演もまじえた大充実の講座でした。

図書室では公演と講座にちなんで日本映画についての特設コーナーを展開。頼光さんをお迎えしての記念撮影をパチリ。

長崎市北公民館とチトセピアホールでは今後ともこういった連携企画を開催していきますのでお楽しみに!