【イベントレポート】千歳公楽座 玉川太福・立川吉笑 二人会


長崎市チトセピアホールでは自主事業として5月21日に「千歳公楽座 玉川太福・立川吉笑 二人会」を開催しました。かつて街場にあった寄席のように噺家さんの息遣いまでもが伝わるような距離で落語を聴くというコンセプトで始まったこの会。もともと令和2年の5月に開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止となり、翌3年にも企画するも再度中止の憂き目に。そして今回は三度目の正直、待望の開催となりました。


今回は舞台上に高座と客席を一体型に設えた形式での公演。


演者との距離も間近な空間にお客様の期待も高まるなか、会は始まります。


まずは立川吉笑さんで「ぷるぷる」。

昨年度のNHK新人落語大賞で優勝したときにもかけられた、奇想を凝らしたナンセンスな擬古典、これぞ吉笑さんの真骨頂という一席で序盤からおおいに会場を沸かせます。


続いて玉川太福さん。

自身のライフワークとして取り組む「男はつらいよ」シリーズを浪曲化したネタのなかから「寅次郎頑張れ」を披露。中村雅俊と大竹しのぶ、渥美清と藤村志保による長崎・平戸を舞台にした恋物語を一人で演じ分けることたっぷり30分。終わったあとには一本の映画を観たかのような満足感のなか、前半が終了しました。



仲入り挟んで後半戦。続けて太福さんで「祐子のスマホ」。御年100歳の現役曲師・玉川祐子さんがスマホを買いに行くのに付き合う太福さんの体験談をもとにした新作浪曲。曲師を務める玉川みね子師匠の小気味良い撥さばきに合わせて、10分ほどの短い時間に笑いどころを詰め込んだ駆け抜けるような一席でトリにつなぎます。


そして本日のトリは吉笑さんで「小人十九」。コロナ禍のもとで“伝染”をテーマにしてつくられた新作落語。

江戸弁と関西弁を巧みに使い分けたやりとりに会場が笑いに包まれるなか、会はお開きとなりました。


「千歳公楽座」はこれからも期待の若手をお招きして開催してまいります。どうぞご期待ください!

【実施概要】
(日  時) 令和5年5月21日(日) 14時~16時
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス