長崎市チトセピアホールでは自主事業として「Banksia Trio in 長崎大学創楽堂」を7月18日に開催しました。
今回は若い人たちへジャズの魅力を伝えることを目的に、会場をチトセピアホールから長崎大学文教キャンパス内にある創楽堂に移しての実施です。
須川崇志をリーダーに林正樹、石若駿という東京ジャズシーンの精鋭を擁する「Banksia Trio」、待望の長崎初公演をキャパ100席の濃密な空間で楽しめるとあって、開演前から期待は高まります。
開演時間の19時ちょうど、満場の拍手に迎えられて三人が登場、最新アルバム「MASKS」の冒頭を飾る菊地雅章のカバー“Drizzling Rain”から演奏はスタートし、タイトル曲“MASKS”とたたみかけます。
短いMCを挟み、1stアルバムに収録のたゆたうような曲調の“Nigella”、うってかわって性急なやり取りの応酬が続く“Doppio Movimento”と、林正樹曲を続けて披露。全く性格の異なる二曲に作曲家としての振れ幅の広さ、引き出しの豊かさが感じられます。
石若作曲の “April Fools”では、目まぐるしく変わるリズムのなかで遊んでいるかのような、それぞれのプレイがカオティックにこんがらがったかと思えば絶妙なタイミングでピタリと合わさる、まさに自由で自在な3人のテクニックが堪能できました。
そしてまさかのデビッド・ボウイ“Space Oddity”のカバーが今夜の白眉。宇宙飛行士をモチーフにしたグラム期のナンバーをメロディアスにアレンジ、壮大なスケール感のある演奏を披露しました。
本編の最後は須川による新曲“Algospeak”。印象的なフレーズが幾度となく繰り返されながらグルーヴが練り上げられていくダンサブルなナンバーで客席を沸かせます。
アンコールはスタンダードナンバー“Good Morning Heartache”。先ほどまでの狂騒の火照りを冷ますようなしっとりとした演奏で、Banksia Trio初の長崎公演は幕を閉じました。
【Banksia Trio in 長崎大学創楽堂 セットリスト】
Drizzling Rain (Masabumi Kikuchi)
Masks (Takashi Sugawa)
First Dance (Motohiko Ichino)
Nigella (Masaki Hayashi)
Doppio Movimento (Masaki Hayashi)
Sand (MMW)
April Fools (Shun Ishiwaka)
Space Oddity (David Bowie)
Algospeak (Takashi Sugawa)
(Encore)
Good Morning Heartache (Irene Higginbotham, Ervin Drake, Dan Fisher)
【実施概要】
(日 時) 2024年7月18日 19時~21時
(主 催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス
(共 催) 長崎大学創楽堂 (協 力) 長崎県音楽連盟
ライブ終演後、会場に残った長崎大学Swing Boat Jazz Orchestraとのセッションタイムがサプライズでスタート、部員たちとの交流を楽しみました!