【イベントレポート】千歳公楽座

長崎市チトセピアホールでは自主事業として11月18日に「千歳公楽座」を開催しました。かつて街場にあった寄席のように噺家さんの息遣いまでもが伝わるような距離で落語を聴くというコンセプトで始まったこの会。今回は落語協会の寄席普及公演として、落語に加え紙切りや太神楽といった色物も交えた盛りだくさんの内容での開催ということで期待が高まる中、会は始まります。


まずは寄席ばやしの実演と解説。松尾あささんの三味線に、柳亭市弥さんの大太鼓と締太鼓、春風亭三朝師匠の鉦(かね)という編成で寄席ばやしが披露されました。また、会場からのリクエストに答えて往年の名人の出囃子が奏でられます。そして、出囃子だけでなく、落語の中で情景を表現するときにも使われる音楽として、幽霊が登場するくだりでの効果音なども実演いただきました。

そして開口一番は柳亭市弥さんで「高砂や」。慣れない仲人を務めることになった八五郎が「高砂」を謡うのに四苦八苦するさまがユーモラスに描かれます。

続いて林家正楽師匠が登場。お題や客席からのリクエストに応じて鋏(はさみ)一つで紙を切り抜いてみせるという「紙切り」という芸を披露。

こちらは「元気な馬」というお題での作品。

前半の最後は春風亭三朝師匠で「やかんなめ」。花見の折に持病の癪が出た女将さんと、それに出くわしたお侍の間での珍妙なやりとりを軽妙に演じます。

仲入り挟んで、鏡味仙三郎社中による太神楽。傘の上で枡や茶碗を回すおなじみのものから、土瓶や花笠を使ったものまで趣向に富んだ数々の曲芸を披露いただきました。

そしてトリは春風亭一之輔師匠で「お見立て」。黄瀬川花魁と野暮なお大尽客・杢兵衛との間で板挟みになって翻弄される使用人・喜助の右往左往っぷりに客席も大いに沸きます。

落語に紙切り、太神楽と盛りだくさんの内容でお送りした第十三回千歳公楽座は盛況のうちにお開きとなりました!

【実施概要】
(日  時) 令和元年11月18日(金) 19時~21時
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス KTNテレビ長崎