【イベントレポート】千歳公楽座 立川吉笑・玉川太福 二人会

長崎市チトセピアホールでは自主事業として12月3日、「千歳公楽座 立川吉笑・玉川太福 二人会」を開催しました。かつて街場にあった寄席のように噺家さんの息遣いまでもが伝わるような距離で落語を聴くというコンセプトで始まったこの会、第九回は立川吉笑さんと玉川太福さんをお迎えしての開催です。ロビー開催ならではの演者の熱気が直に伝わってくるホットな会となりました!

開口一番は立川吉笑さんで「舌打たず」。吉笑さんの提唱する「擬古典」(ご隠居と八っつぁんというおなじみの登場人物・シチュエーションを用いて語られる新作落語)の代表作です。“もしも舌打ちをもっと感情表現に使ったら?”という仮定から始まる吉笑さんらしさあふれるロジカルな一席。

続いて玉川太福さん。長崎ではなかなか聞く機会のない浪曲が聞けるとあって会場内の期待も高まる中の登場です。新作・古典ともに能くする太福さんですが、まずは古典の義士外伝から「陸奥間違い」。貧乏旗本・穴山小左衛門が主人公の、中間のしでかしたうっかり間違いから始まる騒動を描いたお話。

笑いあり人情あり、名調子もたっぷりと交えての大熱演で会場を沸かせます。


仲入り挟んで後半戦。続けて太福さんで「銭湯激戦区」。先ほどの「陸奥間違い」とはうってかわって、荒川区の銭湯事情を浪曲調にのせて語る新作を披露。

マクラから幕切れまで8分弱、曲師・玉川みね子師匠の三味線との掛け合いも小気味よく、ズバリ鮮やかな口跡で聴かせます。

そして本日のトリは吉笑さんで「くじ悲喜」。くじ引きのくじを擬人化した創作落語で‥、と書いても伝えきれない面白さ。シュールでいて、やがてそのハイテンションなやり取りにハマっていってスパッと落とす鮮やかなオチに場内も沸き立ち、大爆笑のうちに会はお開きとなりました。

「千歳公楽座」はこれからも期待の若手をお招きして開催してまいります。どうぞご期待ください!

【実施概要】
(日  時) 平成30年12月3日(月) 19時~21時
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス