【イベントレポート】「中村達也 独り叩き」


チトセピアホールでは自主事業として「中村達也 独り叩き」を6月25日に開催しました。


今回のライブは通常クラシックコンサートで使用される反響板を舞台に設置し、その中央にドラムセットを配置、周りを客席が取り囲むスタイルで行われました。ドラムと客席最前列の距離はわずか1m。ドラムが鳴るときに起こる風圧までもが感じられる、緊迫感のある会場構成です。


定刻18時ちょうど、ピアノソナタが静かに流れる会場の灯が落ちるとともに素肌に白いジャンプスーツ姿の中村達也が登場。おもむろにドラムチェアに腰掛けると、それまでの静寂を切り裂くようなドラミングからライブはスタート。


ふたつのタムとスネア、ハイハット、そして床置きのタム。最小限のシンプルなドラムセットから繰り出される、歌うような、ときには叫ぶようなビートからは、聴こえるはずのないギターやベースの音が感じられるような瞬間が幾度となく訪れます。


開始から50分、それまで絶えることのなかったビートがぴたりと止まると、“どうも”と短く一言の挨拶を残して退場し、怒涛の第一部が終了。


続いて第二部は駆け抜けるような15分。ロックはもちろん、ジャングルビート、四つ打ち、ボサノヴァ‥。中村達也に内在する様々なビートが現れては消えてゆく。中村達也という人間が通過してきた音楽が再構成され一台のドラムセットを通して物語られる。ビートで紡ぐモノローグ、まさしく「独り叩き」を体感しました。


途中休憩を挟んで叩きっぱなしの90分。アンコールが終わり客電が点いても客席を動けないような、嵐が過ぎ去ったような感覚を残して「中村達也 独り叩き」は幕を閉じました。

【実施概要】
(日  時) 平成29年6月25日 18時~19時20分
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス