【イベントレポート】「千歳公楽座 九州旅成金の会」



長崎市チトセピアホールでは「千歳公楽座 九州旅成金の会」を2月7日に開催しました。かつて街場にあった寄席のように噺家さんの息遣いまでもが伝わるような距離で落語を聴くというコンセプトで始まったこの会、第三回は話題の二ツ目集団「成金」から柳亭小痴楽さん、瀧川鯉八さん、神田松之丞さんをお迎えしての開催です。当日は90名ものお客様にお集まりいただき、会始まって以来の大盛況となりました。


「千歳公楽座」の会場はホールの中ではなくロビー。普段はホールの顔として親しまれている長崎名所・名物を散りばめたレリーフを背景として高座を特設します。高座と客席との距離は最前列だとなんと60cm。この緊密な空間づくりが千歳公楽座の特色です。


開口一番は神田松之丞さん。講談を生で聞いたことがないというお客様が会場の大部分を占める中、語り始めたのは「和田平助 鉄砲切り」。水戸藩の剣の名人・和田平助の武勇伝を圧倒的なスピードと名調子で披露。



続いて瀧川鯉八さんによる、創作落語「長崎」。昨年夏の長崎旅行がきっかけで生まれたというこの噺、鯉八さん独特の間と口調で語られる、地元ではおなじみの喫茶店や観光名所を織り込んだ噺に会場は笑いの渦に。



仲入り挟んで後半戦。まずは柳亭小痴楽さん。今回の「九州旅成金」、熊本~福岡~湯布院~島原、そして長崎と続いた旅公演を振り返るマクラからはじまって古典落語「磯の鮑」。与太郎をハイテンションで演じきります。


そして本日のトリを務めるのは神田松之丞さん。天保水滸伝より「ボロ忠売り出し」。喧嘩っ早いがどこか人懐っこいところのある侠客・忠吉、いつもボロばかり来ていることからついたあだ名が“ボロ忠”。このボロ忠の若き日の物語。賑やかな賭場の場面から殺気立った大立ち回りの場面まで、聞きどころ満載の物語を豪快に語り、九州旅成金最後の公演の地である長崎で大団円を迎えました。


「千歳公楽座」、次は五月に開催予定です。どうぞご期待ください!

【実施概要】
(日  時) 平成29年2月7日(火) 19時
(参加者数) 90名
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス