長崎市自主文化事業 演劇公演「すててこてこてこ」のおしらせ

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10月28日に長崎市チトセピアホールで上演される舞台「すててこてこてこ」。
このページでは、そのみどころや知っておくとさらに楽しく見ることの出来る豆知識をお届けします。

■「すててこてこてこ」って?

~「真を写す」か、時流に乗るか。噺家師弟二人、芸と意地の火花を散らす。~

《あらすじ》
幕府から明治新政府へ、江戸から東京へ。落語、庶民の娯楽の華だったこの話芸の人気は、文明開化の新時代にも衰えず。その頂点にいたのが、人情噺の名人・三遊亭円朝。一方、円朝の弟子でありながら、師匠とは全く別の道をいく滑稽噺の奇才・三遊亭円遊。とても追いつけない師匠の名人芸。師匠をおびやかす弟子の人気。芸風の違う二人の間を隙間風が吹く。政府要人とも交わり、その意向を受けて噺をつくる師匠。そんな師匠に反発し、寄席芸人にこだわる弟子。隙間風はいつか強風となって・・・。これは時代に翻弄され、時流に抗う芸人たちの物語である。

「すててこてこてこ」は江戸から明治へと揺れ動く時代の中を生きた噺家・三遊亭円朝とその弟子・円遊の物語です。人情噺と滑稽話、方向性は違えども、ひたむきに芸に打ち込む師弟の葛藤を描いた作品で1982年に劇団民藝によって初演、今回が四演目となります。名人・円朝を演じるのは文学座のベテラン、坂部文昭。円遊を演じるのは千葉哲也。円朝作の「累ヶ淵」、「牡丹燈籠」、「塩原多助」、円遊が改作した「野ざらし」といった名作落語や一世を風靡した「すててこおどり」が舞台の上で実際に演じられるのも見どころです。

■主演の坂部文昭さんと千葉哲也さんからのメッセージです!
【『きて!みて!アーラ』すててこてこてこ編】

※「すててこてこてこ」は岐阜県可児市の可児市文化創造センターがala Collectionの第8弾として文学座と共同制作した舞台作品です。こちらでは稽古場日誌やひと足はやく上演された可児での公演の模様をご覧いただけます。
 ・ala Collection vol.8「すててこてこてこ」特設サイト
 ・「すててこてこてこ」フェイスブックページ


 

■主人公、三遊亭圓朝って?
encho1839年~1900年。歴代の名人の中でも筆頭に巧いとされる。また、多くの落語演目を創作した。滑稽噺より、人情噺や怪談噺など、講談に近い分野で独自の世界を築く。あまりの巧さに嫉妬され、師匠2代目円生から妨害を受けた。具体的には、円朝が演ずるであろう演目を師匠圓生らが先回りして演じ、円朝の演ずる演目をなくしてしまうのである。たまりかねた円朝は自作の演目を口演するようになり、多数の新作落語を創作した。

※人情噺‥町人の世界を舞台にするが、親子愛、夫婦の情愛、江戸っ子や浪花っ子の人情、身分違いの悲恋など情に訴えるものを扱い、おかし味だけでなく感銘を受けるストーリーの展開になっている落語のこと。くすぐりやサゲで笑いを取るが、全体的にはほろりとさせられる話になっている。

《三遊亭円朝:坂部文昭》cast01
文学座所属。群馬県出身。主な出演作品に、1968年初舞台『アンドーラ』(文学座アトリエ公演)、98年『怪談 牡丹燈籠』(本公演)三越劇場、09年『定年ゴジラ』(本公演)紀伊國屋サザンシアター、11年『エレジー』可児市文化創造センター、吉祥寺シアター、12年『タネも仕掛けも』(本公演)紀伊國屋サザンシアター、他。

 

■もうひとりの主人公、三遊亭円遊って?
enyu1850年~1907年。1868年頃、2代目五明楼玉輔の下に入門。1870年師匠が廃業したため、 1872年頃に初代三遊亭円朝門下に移り、初代円遊に改名。1880年4月、真打に昇進し、滑稽話を得意とした。 落語の後の余興として奇妙な踊りを披露して大人気を博した。大きな鼻をもいで捨てるような振付けから「ステテコ踊り」の異名を得、このために「ステテコの円遊」の名で呼ばれるようになった。明治時代の落語界において中心人物であった。全盛期には1日36軒の寄席を掛け持ちしたと言う伝説がある。

※滑稽噺‥滑稽さ・馬鹿馬鹿しさに主眼の置かれた、面白おかしい演題のこと。ナンセンスや荒唐無稽な設定の話もある。

《三遊亭円遊:千葉哲也》cast02
神奈川県出身。受賞歴、第5回読売演劇大賞 優秀男優賞、第39回紀伊国屋演劇賞 個人賞、第14回読売演劇大賞 優秀演出家賞、第16回読売演劇大賞 優秀演出家賞。鐘下辰男が主宰する演劇企画集団THE・ガジラの中心的な俳優として多くの作品に出演。他にも様々な舞台に出演するほか、演出家としても活動し、評価を得ている。

 

■そして、二人の噺家の間で揺れる女、お里。

《お里:春風ひとみcast03
東京都出身。79年宝塚歌劇団入団。退団後は新劇公演への出演も多く、新劇女優としての評価も高いなか、1993年、一人ミュージカル『壁の中の妖精』で紀伊國屋演劇賞・個人賞を受賞し、その後も今日まで
その上演は続いている。主な出演作品、『マリー・アントワネット』(栗山民也演出)、『女の一生』(西川信廣演出)、『父と暮らせば』 (鵜山仁演出)、他。

 

■頼れる兄弟子、三遊亭万橘

《三遊亭万橘:福本伸一cast04
劇団ラッパ屋 所属。85年早稲田大学教育学部卒業。ラッパ屋旗揚げに参加。主の出演作品に舞台では、2006年新国立劇場『東京裁判三部作・第三部 『夢の痂』(作:井上ひさし 演出:栗山民也)、2008年『表裏源内蛙合戦』(作:井上ひさし 演出:蜷川幸雄)、2013年ala Collectionシリーズvol.6『秋の螢』(作:鄭義信 演出:松本祐子)他。

 

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■作:吉永仁郎
劇作家。早稲田大学英文科卒。主に評伝劇を書き、処女作は『勤皇やくざ瓦版』(劇団東演初演、後に劇団民藝再演)。他に江戸の戯作者 滝沢馬琴を描いた『滝沢家の内乱』(蝉の会初演、加藤健一事務所再演)、作家 永井荷風を描いた一人芝居『正午浅草荷風小伝』(吾一座初演)、作家 広津和郎を描いた『静かな落日~広津家三代~』(民藝初演)、浮世絵師 葛飾北斎を描いた『夏の盛りの蝉のように』(蝉の会初演、文学座再演)など多数。

■演出:西川信廣staff01
1949年東京生まれ。文学座附属研究所16期/1981年座員に昇格。 1984年文学座アトリエの会『クリスタル・クリアー』で文学座初演出。 1986年から1年間文化庁在外研修員として渡英。ブリストル・オールドヴィックやナショナル・シアターでロジャー・リース、ピーター・ホールらの演出助手を務める。 帰国後は、所属している文学座公演以外にも、『黒蜥蜴』(明治座)・『マイ・フェア・レディ』(東宝)などの大劇場作品から、再演を重ねる『てけれっつのぱ』(文化座)、『真砂女』(朋友)、 『十二人の怒れる男たち』『音楽劇わが町』(以上俳優座劇場プロデュース)など幅広く活躍。可児市文化創造センターのプロデュース公演では、『岸田國士小品選』(2009年)、『シリーズ恋文vol.1』(2010年)、『エレジー』(2011年)、『黄昏にロマンス』(2014年)の演出を手掛け、今回で5作品目となる。また、演出以外にも一般向けから学校向け演劇ワークショップなどの講師を務め、可児市での演劇活動の活性化に貢献している。 1992年『マイチルドレン!マイアフリカ!』で紀伊國屋演劇賞個人賞、芸術選奨・文部大臣新人賞受賞。1994年文学座本公演『背信の日々』で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞(その後『水面鏡』『寒花』などでも受賞)。 最近の文学座での演出作品は『セールスマンの死』、アトリエの会『熱帯のアンナ』、『夏の盛りの蝉のように』がある。 新国立劇場演劇研修所副所長。東京藝大客員教授。日本劇団協議会会長。日本演出者協会理事。

・本公演に関連して、8月26日にはブリックホールリハーサル室で西川氏によるワークショップが行われました。
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「集中、開放、イマジネーション、コミュニケーションの4つのキーワード。反応力が重要。」、「声の5要素=高、低、大、小、音色」‥などなど、西川氏の演出術の一部を披露していただきました。


■メディア情報

・広報誌「switch!」に西川信廣氏のインタビュー掲載
http://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/191001/p023457_d/fil/new.pdf

・長崎ケーブルメディア「なんでんカフェ」の市政情報コーナー「市っトクながさき」にて告知を行います!
10/15(木)17:05~ (同日 19:05~、21:05~、23:05~からも再放送あり)

■日時
平成27年10月28日(水)
18時開場 / 18時30分時開演

■チケット(全席自由)
【前売】 一般 3,000円 / 大学生以下 1,000円
【当日】 一般 3,500円 / 大学生以下 1,500円

《チケット取扱い》
・長崎ブリックホールチケットカウンター
・浜屋プレイガイド
・くさの書店(チトセピア店、道ノ尾店)
・チケットぴあ・・・・・0570-02-9999(Pコード:446-613)
・ローソンチケット・・・0570-084-008(Lコード:88491)

■主催・お問合せ
長崎市 文化振興課
電話:095-842-3782 / FAX:095-842-3784
公式HP 「長崎文化のひろば」