【イベントレポート】「ヒゲの未亡人の国内旅行2016 in 長崎」

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長崎市チトセピアホールでは自主事業として「ヒゲの未亡人の国内旅行2016 in 長崎」を11月26日に開催しました。


告知の段階から“「ヒゲの未亡人」って?”と話題になっていたこの公演、新聞でのお知らせ欄の説明も謎が謎を呼び、いよいよ公演当日を迎えました。
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今回の会場はチトセピアホールのロビー。龍踊りのレリーフも妖しく照らされて、いつものロビーとは一味違ったかんじに。DJを務めるのは常盤響。ラウンジィな選曲で会場をゆったりと暖めます。

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最初の出演は海藻姉妹。サックス担当の「わかめ」と「こんぶ」、鍵盤楽器担当の「めかぶ」によるかしまし三姉妹ポップ・トリオとして都内を中心に活動中のユニットです。長崎では初めての演奏となる今日は、一曲目「ユーラシア超特急」から超絶技巧を披露してくれました。
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1stアルバム『海底演奏会実況盤』からの曲を中心に、今年の7月の台湾ツアーでの思い出をもとにエキゾチックなメロディーを織り込んだ新曲「台湾の夜」など、短いながらも充実のライブでした。
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海藻姉妹の演奏後は再びDJ常盤響。会場後方の物販スペースではアーティストとお話する人、DJに聴き入る人、友達同士でお喋りに興じる人‥。会場は自由でハッピーな雰囲気でいっぱいに。

そしてメインアクト、ヒゲの未亡人。VJ・Aliによるオープニングタイトルに誘われて岸野雄一とゲイリー芦屋の登場です。
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今回のツアーは、名盤と評されながらも長らく廃盤状態が続いていたミニアルバム『ヒゲの未亡人の休日』に新曲を加え、既発曲にもリアレンジ・リマスタリングを施した2016年版の発売を記念したもので、その中からの曲を中心に構成されたステージが繰り広げられました。
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筒美京平パスティーシュの「お友達でいましょうよ」、一聴してバート・バカラックを思い出さずにはいられない「さよならがいえなくて」など、二十世紀の偉大な作曲家たちにオマージュを捧げた曲の数々が、ときにユーモラスに、そしてときに哀愁を帯びて歌われます。
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ヒゲの未亡人の魅力は音楽だけではありません。壁面いっぱいに映し出されたコラージュ映像にヒゲの未亡人が入り込む趣向や、舞台上に置かれたドールハウス型ペーパーシアターの中の様子を手持ちカメラを通してスクリーンに投影する入れ子構造の演出など、インタラクティブな映像表現もライブにより面白くしてくれます。
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本編のラストは「いちばんうまい愛の演じ方」。美しいスキャットと壮大なオーケストレーションに合わせてヒゲの未亡人によるモノローグが展開されるこの曲、最後の“どうか世界を救うことが出来ないなんて悲しまないで あなたは誰かを愛する事によって もう十分に世界を救ったのだから”という高らかに叫ぶ姿が印象的でした。
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アンコールは “絶対恋愛!COUNTDOWN”。現在進行系のアイドルポップを意識した賑々しいアレンジの曲が始まると会場からもPPPHが自然と起こり大盛り上がり。最後は長崎での再びのライブ開催を誓い、ヒゲの未亡人の圧巻のステージは幕を閉じました。

【実施概要】
(日  時) 平成28年11月26日 18時30分~21時
(主  催) 長崎市チトセピアホール 指定管理者 有限会社ステージサービス
(参加者数) 30名